夜は、すき。
性質は朝型で、とても遅くまで起きてはおれんけど。
すぐにねむたくなってしまう。
夜はぐっすりで、朝からテンションが高い。
夏休みのこどもみたいな体質の私。
夜のドライヴも、すき。
私は運転免許を持ってないんだけど。
だけど私には強い味方ができた。
そう、自転車。
ドライヴとは言えないけど。
これで私は夜へ繰り出せる。
いつでも、好きなときに。
一人で走るのも、誰かと走るのも、両方すき。
一人で走るときは、けれど、私はすごく怖がりなので、すぐに帰ってきてしまう。
あの真っ暗に吸い込まれていって戻ってこれなくなったらどうしよう、とか、後ろから手がにょきにょきと出てきて私を捕まえたらどうしよう、とか途方もないことを考えて怖くなる。
(そして書きながら今も怖くなって後ろを振り向いてしまう。)
それでも夜の風はすごく気持ちがよくて、少しの距離でも大冒険した気分になる。
「今日、一人で夜道を走ったんだぜっ」と、誰にともなく得意げに話したくなる。
ひとりのとき、私は鼻歌を歌う。
夜だろうとおかまいなしで。
どうせだれも聞いていないので、思い切り歌う。
もはや鼻歌ではなく、熱唱する。
それは思い入れの深い曲だったり、なんとなく街で聞こえてくる曲だったり、あるいはゲームの中の曲なんてこともあったりするのだけど。
夜にすっと声が溶けていくのは気持ちいい。
上手とか下手とかじゃなくて、ただ気持ちいい。
それでいいんだ。
だってプロフェッショナルじゃないもん。
横に人がおってくれるのは、もちろんすきだ。
怖くないし、疲れたら休んで話もできる。
ひとりのときとは、意味の違う楽しさ。
共有できる、というのはとても素敵でとても貴重なことだ。
「何か特別なもの」を、ではなく「何気ない日常」を。
そうやって夜を十分に満喫して、私はひとり家に帰る。
私の家は、一人暮らしには広すぎて、いつも少し心許ない気持ちになる。
すーんとした、気持ち。
だからすぐに好きな音楽に包まれながら本を読む。
できるだけ私は私をあまやかす。
そうして明日に身体と心を持っていく。
ゆっくり、ゆっくり。
夜は、とても怖いけど、実はとてもやさしい。
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