親知らずを、抜いた。
左の上下、いっぺんに。
抜くときは、麻酔が効いてくれたので
なんともなかったのだけど、
終わってからがなかなかに壮絶だった。
そうして私の左頬は、腫れた。
腫れる腫れるとは聞いていたけれど、
それはもう見事に。
原形をとどめぬほどに。
それに伴って、口は3分の1ほどしか開かなくなった。
つまりは、食べられない。
五日間ほど強情に腫れ上げた左頬のおかげで、
食べる、ということが何だったのか、思い出すことができた。
食べる、とは。
食べる、ということは。
私を肉体的に生かし続け、
精神的に活かし続ける。
左頬はまだ腫れているが、それでも前よりは食べられるようになってきた。
少しずつ、少しずつ。
それが単なる本能的な行為以上の意味を持つことを、
忘れていたのだ。
いただきます、の、美しさを知る。
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