2014年7月23日水曜日

おやしらず。

親知らずを、抜いた。

左の上下、いっぺんに。

抜くときは、麻酔が効いてくれたので
なんともなかったのだけど、
終わってからがなかなかに壮絶だった。

そうして私の左頬は、腫れた。

腫れる腫れるとは聞いていたけれど、
それはもう見事に。
原形をとどめぬほどに。

それに伴って、口は3分の1ほどしか開かなくなった。
つまりは、食べられない。

五日間ほど強情に腫れ上げた左頬のおかげで、
食べる、ということが何だったのか、思い出すことができた。

食べる、とは。

食べる、ということは。

私を肉体的に生かし続け、
精神的に活かし続ける。

左頬はまだ腫れているが、それでも前よりは食べられるようになってきた。

少しずつ、少しずつ。

それが単なる本能的な行為以上の意味を持つことを、
忘れていたのだ。



いただきます、の、美しさを知る。

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