3月に、冬の最後の主張に、コートの襟を立てる
またひとつ歳を重ねて
何かが劇的に変わるかといえばそうでもない
日常
それでもこうして呼吸をつないでいること
その ちいさな 個人的な奇跡
私の中で 心臓が 動いている
どくどくと 生々しい音を立てて
内側から私の内臓を蹴り上げる
途端に込み上げる吐き気で 私は私の生を知る
鋭い歌声が 耳の奥に深く突き刺さる
その一歩は鉛のように重いが
私の目は明日を向いている
2016年3月16日水曜日
2016年2月10日水曜日
ゆめ
夢を見て、真夜中に目が覚めた。
あふれ出したダムだか川だかに放り出される私 ゆらゆら と
ただよっていたら前方に
それはそれは大きなワニ
が、いて
ワニの目は透き通った水晶球で
どこを見ているのかわからないけど
あふれ出したダムだか川だかに放り出される私 ゆらゆら と
ただよっていたら前方に
それはそれは大きなワニ
が、いて
ワニの目は透き通った水晶球で
どこを見ているのかわからないけど
確実に私がいることを捉えていて
大きく口を開けた
ぬらぬらと動く赤 象牙のような歯が並ぶ
怖くて怖くて
私は流れに逆らって必死に泳いだ
しばらく泳ぐと海に出た
瞬間、力が抜けて、沈んでいった
ああもうだめだ、死ぬんだな、海はきれいだな、ワニがいなくて安心で
でも、もう死ぬんだな
そんなことを思っていたら、目の前ににゅっと手が伸びてきて
私の手を取ってぐいっと上へ引っ張り上げた
急激な浮力を感じながら目が覚めた
あの手は、だれの
時計を見れば4時26分で、濃い闇の中、指だけで隣に眠る顔をなぞった
怖くて怖くて
私は流れに逆らって必死に泳いだ
しばらく泳ぐと海に出た
瞬間、力が抜けて、沈んでいった
ああもうだめだ、死ぬんだな、海はきれいだな、ワニがいなくて安心で
でも、もう死ぬんだな
そんなことを思っていたら、目の前ににゅっと手が伸びてきて
私の手を取ってぐいっと上へ引っ張り上げた
急激な浮力を感じながら目が覚めた
あの手は、だれの
時計を見れば4時26分で、濃い闇の中、指だけで隣に眠る顔をなぞった
2015年11月12日木曜日
無題
こころをやわらかくしたい
と
思う
やわらかく、しなやかに
なんにでもさわって、口に入れようとするその幼い好奇心を
どうかころさないでほしい
くだらない大人の安全観で
光る画面に指を滑らせれば
なんでも見ることができるけど
なんにも手に入れてないことを
私たちはいつ、知るだろう
と
思う
やわらかく、しなやかに
なんにでもさわって、口に入れようとするその幼い好奇心を
どうかころさないでほしい
くだらない大人の安全観で
光る画面に指を滑らせれば
なんでも見ることができるけど
なんにも手に入れてないことを
私たちはいつ、知るだろう
2015年11月10日火曜日
2015年10月22日木曜日
日々
ありのままの自分でいること
に
みな強く固執しているように思う
人の行き交う交差点に立つ
スニーカー、サンダル、ハイヒール、ドクターマーチン、裸足―――
無数の足音
押し寄せては、遠のいていく
そのほとんどすべてが
知らない人だ
今までも、たぶんこれからも
ありのままの私を
私はよくわからない
ただ、今を生きている一呼吸一呼吸が
私であるのを感じる
に
みな強く固執しているように思う
人の行き交う交差点に立つ
スニーカー、サンダル、ハイヒール、ドクターマーチン、裸足―――
無数の足音
押し寄せては、遠のいていく
そのほとんどすべてが
知らない人だ
今までも、たぶんこれからも
ありのままの私を
私はよくわからない
ただ、今を生きている一呼吸一呼吸が
私であるのを感じる
2015年4月15日水曜日
ことば
言葉は、意味を持つ運命にあり
喉の奥から発せられた音は
瞬間、それに見合った熱と意味を持ってしまう
ずいぶん前から
逃げたかったのかもしれない
この世には意味が溢れていて
時々、溺れそうになる
詩を書いているのに
意味を持つ前の
言葉になる前の
音をずっと探している
喉の奥から発せられた音は
瞬間、それに見合った熱と意味を持ってしまう
ずいぶん前から
逃げたかったのかもしれない
この世には意味が溢れていて
時々、溺れそうになる
詩を書いているのに
意味を持つ前の
言葉になる前の
音をずっと探している
2015年4月13日月曜日
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